平成18年度 科学技術振興調整費
科学技術連携施策群の効果的・効率的な推進

施設内外の人計測と環境情報構造化の研究

中核機関:(株)国際電気通信基礎技術研究所
分担機関:(独)情報通信研究機構

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課題概要 研究内容 関西環境プラットフォーム 成果 報道

研究内容

環境情報4 層構造モデル

環境情報を施設内外でシームレスに扱うことができる環境情報4 層構造モデル(図)を提案する。 このモデルは、センサデータ層、セグメント層、プリミティブ層、サービスアプリ層の4層からなる。環境センサやロボット自身のセンサで人々の位置情報を統合し、空間と行動に意味づけられた環境情報と照らし合わせてロボットが人にサービスを提供するための一般的な枠組みを表す。

「センサデータ層」では、カメラ、無線IDタグ、GPSといった各種センサシステムから得られるデータをシステム毎に処理し、そこから出力される人の位置情報を「セグメント層」で統合する。すなわち、これら2つの層は人の位置計測技術に関する層である。例えば、座標(100,20,1)で個人ID=245の人が観測された、といった位置に関する数値データが計測精度付きで出力される。

このセグメント層の位置データに基づき、「プリミティブ層」では人の行動や様子などを表す『プリミティブ』という記述形式で意味づけを行う。たとえば、「人が往来する場所」(空間プリミティブ)で「立ち止まっている」(行動プリミティブ)といった空間と行動の意味づけが行われる。

「サービスアプリ層」では、「セグメント層」から出力される位置情報および「プリミティブ層」から出力される構造化情報に基づき、ロボットサービスを記述する。ロボットは例えばサービスアプリ層に記述されている「通路で立ち止まっている子供に最寄りのロボットが声をかけ誘導する」といったロボットサービスを行う。

位置計測技術

位置計測技術に関しては、従来から多くの手法が提案されているため、それらを積極的に利用しつつ研究開発を進める。ただし、位置計測技術を利用するセンサデータ層とセグメント層は、環境情報の構造化の根本であり、頑健性・リアルタイム性・信頼性の高い技術を確立する必要がある。そのため、センサデータ層における個々のセンサシステムによる位置計測での頑健性・リアルタイム性の向上と、異種センサシステムによる精度のばらついた位置計測結果を統合し信頼性を向上させることが、ここでの課題となる。

環境情報構造化技術

次に、図のプリミティブ層に対応する環境情報構造化技術では、蓄積された多数の人の位置・軌跡情報に基づいて空間の利用状態の可視化と意味づけを行う手法の研究開発を行う。ここでは、多くのロボットサービスに関連する意味をセグメント層から自動的に抽出することが課題である。

共通プラットフォームの構築

最後に、これらの構造化された環境情報を提供する共通プラットフォームの構築においては、他機関・他プロジェクトとの連携をとり、共通プラットフォームを実際に利用してもらい、その評価を取り入れながら具体的な仕様を策定する必要がある。

ロボットはスタンドアロン・独自仕様の時代から、位置・環境情報の共通プラットフォームと連携したサービスに移行することによって、開発の効率化やサービスの多様化・低価格化が促進され、コンピュータネットワークと同じような新産業が生まれる可能性が強い。この意味で本研究課題が実現すると、全国各地のユビキタスネットワーク環境にもロボットビジネスが新たに参入することが可能となる。

本研究は文部科学省の平成18年度科学技術振興調整費による
「科学技術連携施策群の効果的・効率的な推進」の一環として実施したものである

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